日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2022年10月12日オンラインで効果のある話し方とは?



★オンライン会議は話しにくい


新型コロナ感染が収束の気配を見せているとは言え、会議はオンラインでされている方も多くおられると思います。リアルの会議だと緊張してしまうあがり症の人もオンラインだとあがらずに話せるようです。しかしながら、「オンラインは何だか話しにくい」という声をよく聞きます。日本話し方センターのベーシックコースの受講生も「オンラインで話すのは苦手だ」という人が少なくありません。
なぜオンラインだと話しにくいと感じるのでしょうか。



★オンラインは「ドッチボール」になりがち


それはオンラインでは会話が「一方通行」になりがちだからです。
会話の基本は「キャッチボール」です。少し話をして相手に受け取りやすいボールを投げます。相手に気持ちよく話をしてもらい、また自分が受け取りやすいところにボールを投げ返してもらいます。これを繰り返すことで、お互いの共感が生まれ、人間関係がよくなる会話になります。



しかし、オンラインでは話し手が一方的に話をし、その間、聞き手は無表情でうなずきもせずに聞いているという場面がとても多いです。いわば、この状況は「ドッチボール」です。話し手は一方的に話を聞き手に投げつけているだけです。



従って、オンライン会議を「キャッチボール」の場にすれば格段に話がしやすくなるはずです。
では、どうすればキャッチボールのように双方向での会話ができるようなるのでしょうか。



★発言時間を短くする


まず1つ目は、1人の発言時間を短くすることです。オンラインでは対面よりも人が集中できる時間は短いです。それは聞き手は話し手と同じ空間にいないので、まるでテレビを見ているような感覚で話を聞いているからです。話を聞くか聞かないかの選択の余地が対面よりも遙かに大きいのです。だから話が長いとすぐに飽きてしまい、途中で全く耳に入らなくなります。従って、話し手は聞き手が集中力を切らさない程度に短く話すことを心がける必要があります。



★人の発言を促す


2つ目は、できるだけ人に発言を促すことです。例えば、自分の意見を述べた後に「~と私は考えますが、上谷さん、この点についてどう思いますか?」などと意見を求めてみる。また、「今の件について遠井さんの意見も聞きたいな、どう思う?」とまだ意見を言っていない人に発言を促してみるのです。会議では放っておくと全く発言しない人がいます。また、自分の言いたいことだけを言ったら後は黙ってしまう人もいます。そういう人たちにも敢えて発言してもらうように促すことでオンライン会議の場が活性化し、「温まった」場にすることができます。



★うなずく、あいづちを打つ


そして3つ目は、意識してうなずきやあいづちを意することです。オンライン会議ではカメラもマイクもオフにしていることが多いようですが、可能であれば両方ともオンにすることを強くお勧めします。特にカメラをオンにして聞き手がうなずくことは必須です。うなずきは話し手に励ましを与えてくれるからです。その威力は絶大で、聞き手がうなずくだけで話し方が格段に上手くなった人を私は数多く見てきました。聞いてくれている、という実感は話す勇気を与えるのです。ところで、オンラインではディスプレイに数人の顔が写るので1人当たりの画面が小さいですね。なので軽くうなずいただけでは話し手はうなずいていることが分かりません。ぜひオンライン会議では大げさにうなずいてください。
また、周囲が静かであればぜひ聞き手もマイクをオンにして小さい声で「ん~」「あ~」「なるほど~」などのあいづちを打ってください。このあいづちも話し手には大きな励みになります。私は可能な場ではできるだけマイクをオンにしてあいづちを打つようにしています。ぜひお試しください。



★話し方を体験的に学びませんか?


今回はオンライン会議で双方向感を出す主なポイントを3つ申し上げました。しかし、これらは対面の場合でも効果のあるものばかりです。日本話し方センターではあらゆる場面で効果のある話し方を体系的にお伝えし、それに基づいたトレーニングを行っています。ぜひご受講をご検討ください!

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